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次に健口な成長に大事なのは、疾病の予防です。
子供の口腔の疾病の代表は、ムシ歯です。
そして、軟らかい食べ物が多くなっている現代では学童期から歯肉炎が増えています。
このページではまず、ムシ歯予防について説明します。
ムシ歯は、歯の質や食べ物、それにムシ歯菌などの左図の因子が、すべて重なった時に出来ます。
それも1年くらい危険な状態がずっと続いた時に発症すると言えます。
左の図を見てください。
これは、食べ物を摂取したあとの口の中の酸性度の変化を表した模式図です。
左表の左上、ph7は口の中が中性であることを表します。(本来、口の中は中性です。)
食物を摂取するとその中に含まれる糖分を口腔内細菌が分解して口の中は酸性になります。
このとき、歯は目には見えませんが徐々に溶けているのです。
大体一日に6回以上、飲み食いすると急激にムシ歯になる危険性が高まります。
飲み食いにはカロリーのある飲み物も含まれますから、スポーツドリンクなどをちびちび飲みながら運動することはムシ歯を育てているようなものなのです。
では、どうしたらいいか説明します。
1.スポーツをするときはこまめな水分補給は必要です。
まずは三食をしっかり食べて間食は控えましょう。
成長期なら、おやつは必要です。栄養のあるものをしっかり摂りましょう。
その上で、スポーツの時の水分補給はノンカロリーの水やお茶にしては
どうでしょうか。
2.長時間の練習のため、どうしても電解質の補給が要るなら、スポーツドリンクも必要です。
それならば、ムシ歯にならないような強い歯にしていくこと、
そして溶けかけた歯を再石灰化させてムシ歯が進まないようにするしかありません。
<歯を再石灰化するためには?>
口の中を中性や弱アルカリ性にすることが大事
→ポテトチップスなどのでんぷん質は歯の間に残りやすく糖質の供給源になります
→これは取り除かないと口の中がずっと酸性のままになります
→だからやはりブラッシングは必要です
以下 まだ訂正工事中!
①は歯ブラシの毛先よりも細い溝や歯と歯の間は歯ブラシだけでは絶対磨けないからです。
手付かずの歯垢に十分な糖分が与え続けられたらその歯垢内部は常に酸性になってしまい、ムシ歯が発症していまいます。
②は、歯垢を形成する基質となる水に溶けない菌体外多糖類が出来ない人 つまりムシ歯菌がいない人は簡単にはムシ歯になりません。
絶対とは言えないのは、ムシ歯が生活習慣病だからです。
③は、世界中のムシ歯研究者の95%以上が認める事実です。最後にフッ素について書いてあります。
④も事実です。
ちょっと難しいですが、頑張って読んでみてください。
ムシ歯菌の代表ミュータンス菌は、「キシリトールを細胞内に取り込むけど代謝出来ずに排出する」と言う全く無益な利用の仕方をします(これをキシリトール無益回路と呼びます)。
こうして余分なエネルギーを使うことで、ミュータンス菌は疲れ果てて数を減らしてしまいます。
ところが口腔内にはキシリトール耐性のミュータンス菌がミュータンス菌全体の1割程存在しています。
キシリトールで減った分の菌数は、この耐性菌にとってかわられてしまいます。
この耐性菌は、プラーク(歯垢)の基になる 不溶性菌体外多糖体(水に溶けない、つまり唾液に溶けて流れて無くならない多糖体)を作る能力が低いです。
つまり、歯垢が少なく落としやすくなると言う訳です。
キシリトールはミュータンス連鎖球菌にも消化されませんが、人間にも時々下痢をさせるそうですから、身体に合わない人はご注意くださいね。
では、フッ素によるムシ歯予防について説明します。下の図を見てください。
(出展 フッ素でむし歯予防 -フッ素は強い歯のみかたです- 高知県健康増進課 平成16年3月)
高知県高岡郡中土佐町のデータです。
平成9年から14年にかけての5年間で確実にムシ歯が減っています。
これは学校全体で毎日食後にフッ素洗口した結果です。
小学6年生になると、ほぼ乳歯がなくなって永久歯列になります。
その24本の永久歯のうち、平均1.66本しかムシ歯がないのです。
集団に対するデータの比較で大事なのは比較する両者の条件に差が無いこと。つまりフッ素洗口をする以外に集団になにも条件を変えないことです。
このデータの差は、歯ミガキが急に上手になった訳ではありません。
続いて新潟県のある中学校の結果を示します。
「フッ素で健康づくり」砂書房より
平均の歯科医療費は、ムシ歯ゼロ16人がいる市町村ではそうでない市町村の約半分です。
両者の違いはフッ素ぶくぶくうがいを学校でやっているかどうかなので、つまり医療費の差額は、ムシ歯治療にかかった費用の差なのです。
まじめにフッ素を利用すればかなりムシ歯を予防できることを理解戴けたでしょうか!
じゃあ明日からフッ素ぶくぶくうがいをしよう!と考える事は自然ですが、その仕方やフッ素の管理の仕方、フッ素入りの歯磨き粉で洗口剤の代用をする方法など細かい情報、誤解などを問いただすために歯科医院で時々チェックすることが大事だと考えています。
そしてその効果は20歳になったときにも確実に現れています。
正しい知識やブラッシングを身に付ければ効果は更に大きなものになるといえるでしょう。
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